森本おじさんのサイエンスツァー「ひょうごは大きな博物館」
東経 135度 子午線 の 旅
実はリベンジなんです。
Yahooでも何でもいいから「135度子午線」を含めたキーワードで「検索」してご覧なさい。
福田和昭さんのホームページに出会います。瀬戸内の兵庫県淡路島東浦町から日本海
岸の京都市網野町までの約130kmを135度子午線に沿って自転車で走破し、見聞記、
標準時のはなし、・・・・の楽しくて勉強になるページです。今度のサイエンスツァーは自転
車の代わりにバスで、この経路をたどってみよう、ということになりました。
連絡不行き届きが会って、福田さんの約束をキャンセルさせちやうなど、ずいぶんご迷惑
おかけしたのですが、ともかく全面的にご協力(いわば専属ガイドさん)いただき、こんな
ツァーとはなりました。
もう一つ、今回は初参加の福島夫妻がご案内の発送、参加者の整理・・・・等々の事務
(これがいつも遅れて皆さんにご迷惑かけている)を引き受けていただき、ツァーの今後
に明るい光を投げかけたのも大収穫でした。
黒田森本集中のツァーからの脱皮、なんて気配と見るのは欲張りかな?
JR明石駅集合12時30分、黒田さんは用事で夜からの参加です。おじさんと福島夫妻、
不安不安不安不安でしたが、なぜか何から何までうまく進んでツァーの出発です。
バスに乗り込み明石市の海岸は中崎公園に行きます。ここから市内の標識を見ながら
明石天文科学館(山陽線から見える塔の天文台です)を目指します。
「刻」モニュメント
海岸一歩手前に「刻(ときとよませるらしい)」があります。明石子午線クラブ結成25周年、
明石市制70周年を記念したものだそうです。赤白の御影を組み合わせたきれいなモニュ
メントが景色のいい海岸公園の入り口に立っています。
トンボ(レプリカ)標識
さらに海岸に向かって進むと今度は高い柱の上に頭にトンボの乗った地球儀がついたモニ
ュメントがあります。明石天文科学館の裏に立っているトンボの標柱の複製で、1984年明
石青年会議所が創立25周年を記念して建てたものだそうです。近くで見つけたマンホー
ルの蓋も地球、135度Eなどをあしらったデザインで、「ここは子午線の町だなぁ」と感じさせ
ます。
海をはさんで淡路島を遠望すると稜線にはたくさんの塔が立っています。その中のどれだっ
たかがこれまた135度Eのモニュメントなんだそうですが、福田さんの説明が思い出せませ
んごめんなさい。
もちろん明石海峡大橋は目の前に広がって壮観です。ひとしきり記念写真や集合写真で
にぎわいました。
北上開始
ここからは歩いて天文科学館を目指します。もちろん途中は135度標識が手ぐすね引いて
待ち構えています。気を引き締めたさぁ北上!
何から何まで子午線子午線
子午線トイレに子午線歩道、そんな名前ついているの?でも、子午線標識のモロ北、また
は南に隣接していればそう呼びたくなりますよね。トンボ標識の北のトイレ(建物は東西に
ひろがっているので正確には女性用)と交番横標識の南の横断歩道です。交番はかわい
いドーム型、ちゃんと「子午線」と接頭して名づけられています。
海岸から北上して出会うのはドーム型の交番です。1910年教育勅語発布20周年を記
念して明石の市民(当時は明石郡?)や先生方の浄財を募ってこの場所と神戸市西神
(当時は明石郡)に建てた、早い話一番古い子午線標識です。
写真は5月台風で流れたときにきてとったものです。
これが今回の写真
直線じゃない! だってぇ〜〜〜!!!
子午線って南北一直線のはず(ですよね)、国道2号線沿いに立てられた標識からは阪神
人丸駅高架の側壁につけた目印と天文科学館の塔とドームが(一直線でなく)見えるので
す。2号線標識があと二つと別の天測に準拠しているため11mほどずれているんです。
GPSを正確に使える現在ではこうならないはずなのですが、当時の天測ではこれでもかな
り高い精度といえるでしょう。楽しい!
神明道路経由・・・・ 天文科学館でちょっとハップニングで遅れましたが
一路西神(せいしんと読むんだって)に向かいます。その途中、神明道路が135度をまたぐ
地点には立派なゲートがかけてあります。ちょっと渋滞してゆっくりだったのが急に空いて
きて加速しました。その最中にカウントダウンしながらとりました。
西神は日時計公園
到着はちょうど16時、素敵な公園です。天文科学館から遠望したツィンビルのマンション(?)
が見えています。モニュメントは鉄一枚板の凄い日時計です。ちょうど筥崎君と定子さんが仲
良く日時計の目盛りを見ていました。
アッこっちが先かな?
西脇は「へそ」公園 大規模な経緯度施設
山陽線の加古川から西脇経由福知山線の谷川まで加古川沿いをやく50kmゆっくり走る
のが「加古川線」です。のほんのローカル線の常、西脇から北は忘れられそうです。ともあ
れ西脇から運行がまばらになって3駅目、日本のへそ公園があります。
日本を東西南北四角で囲むと東経135度、北緯35度が真中になる、これが日本のへそ、
と西脇氏が宣言しちゃったのです。それもふるさと起こし1億円なんてどころかもっとズゥ〜
〜ッとズゥ〜〜ッと昔、1919年、ツァー参加者としては小林定子さんしか生まれていない
大正の時代なんです。定子さんが4歳か5歳になる頃呉鎮守府長官鈴木貫太郎(第2次
大戦終結時総理大臣)によって測量が行われ、現在の標識が立ったのだそうです。
凄ッゴォ〜〜胃でしょう。
その由緒あるへそ、「日本のへそ公園」があります。経緯度に関するいろいろなモニュメント
はこのページにあげたもの以外にもいっぱい、それも「へそ」のアイディアに発しただけあっ
て論理的だったり科学的だったり傑作だったり、そして巨大なテラドームは81CMの天体望
遠鏡をはじめ数々の展示があります。
すっかり「へそ」に感心しちゃったおじさんですが、135度に帰りましょう。
へそ公園駅は
有名な美術家がデザインしたものらしくそれなりに素敵ですがやはり放っておかれている
の印象はぬぐえません。しかしまわりの説明版や展示はなかなかのものです。
これが肝腎の標識です
そして現代技術を集めたGPS標識も立派に備えているのですから鈴木総理大臣もさぞ
やご満足でしょう
へそからさらに北上 西神が16時ですから
ここはもう日がずいぶん傾いて来ています。皆さんの情熱はそんなことお構いなし、見たが
り聞きたがり、ちょっと戻って確かめたり立ち止まって議論したり、西神から今夜の泊まりの
丹波少年自然の家に「遅れそう」の第1報を入れてありますがなんのその、でも何とかバス
に乗り込み、あとは止まらないで右左窓から見ながらの忙しい標識見学とはなりました。
青垣だけは運良く赤信号でした。
夜は勉強会まで
やっとついて大急ぎでご飯、お風呂に入って、ゆっくりかと思ったら学習会です。迷惑迷惑
とみんな集まったらその迷惑弁士はおじさんです。
政治に翻弄された20世紀韓国の標準時、サマータイムって馬鹿げてる、未来は川上?な
んてわけのわからない3題話でありました。
朝から懲りもせず子午線
宿泊お願いした丹波少年自然の家は、おじさん勤める南但馬自然学校から約1時間、
ご近所、同業のよしみで仲良ししていただいています。到着が遅れ食堂に迷惑、帰り
の清掃がどうだったか、心配しながら出発です。でも、我がツァーの皆さん大丈夫に決
まっています。安心しておきましょう。
特にハップニング(自然の家にプラネタリウムがなかったためらしい)もなく出発、ちょっ
とジグザグして135度子午線に戻ります。ここはもう京都府は夜久野町です。車窓見学
分をまた一個しくじりましたがマァ京都府だから良いや。そして兵庫県は但東町です。
終わりに近づく
最後の標識は立派な日時計(あぁ〜〜日時計いっぱい見たなぁ〜〜)でした。
まわりは草が生えた中をプランターを置いたりして花を咲かせ、それがまた日時計の目盛り
になっているみたいです。花を見たり草を見たり、石の時刻目盛りを見たりしながらみんな
いろいろ考えています。
離れて眺めると向うの建物はお店、間の平らはゲートボール、このあたりコミュニティーの
中心団地、です。
いろいろ考えても結論が出ないか、極軸に沿ってすべる人も出てきます、ふと気がつくと
道路の向こう側にも子午線標識があります。こっちは緯度までついています。数字は分
までしかありませんがそうすると道幅以上になってしまいます。マァうるさいことは言わず
に、そばの地蔵堂や六地蔵、その下のもう一つお地蔵さんがあったのを、子午線との関
連で考察すべきでしょう。
公園の立派な石の看板(?)ゲートボール場、そしてお土産探しにお店に寄ったらミス
丹後ちりめんの選考の面接試験が行われていました。
子午線行脚の最後を飾る素敵な公園でした。
有終の美出石
最後は出石に言って皿そばを食い、1時間ほど散策して、一路姫路に向かいました。
子午線ツァーの元祖福田さんのツァーレポート(素晴らしいですよ!)http://www.h2.dion.ne.jp/~kazuf/sao/135e/hizakuri200309st.htm
付録
台風直撃で中止、でも、
強行したグループが
皆さんのご期待に沿うべく鋭意組み立て中だったツァー、「季節外れの台風が
直撃コース」というので、2日前の29日、中止をきめて、その晩黒田さんが参
加予定の皆さんにお知らせしました。
翌日、高槻の小林定子さんから電話で「こんなに楽しみにしていたのに中止だ
なんてどうしてくれるんだ」、おじさんは電車が動いている限り集合時刻には一
応顔を出すつもりでいたので、そう答えました。続いて東京の主人から「指定券
買っちゃった、もうこの時刻では払い戻し手数料が・・・」、だいたい上と同じ返事
をしました。
台風は予報通りのコース、しかし勢力が衰えて、チョッと風が強いだけ、時々夏
みたいな日差しさえ、明石駅に定刻に行ってみると、主人と示し合わせた前田さ
んも。結局おじさんを合わせて4人になりま舌。
明石駅から山陽電鉄で一駅の「人丸」駅のプラットホームに子午線標識があり
ます。降りて南へ300mほど、天文科学館の塔に似せた建物の交番があり、
その隣が一番古い子午線標識です。1910年、教育勅語20周年を記念して、
郡内の先生方の寄金で立てられたものだそうです。
ここで北に反転して、明石天文科学館に向かいます。さすが子午線の町、
子午線や天文にちなんだ標識などが色々ありました。
左から、子午線標識、天文町という地名、ガードに付いた「都心回遊時の道」の
表示、天文科学館の中、・・・・・・・・
天文科学館では学芸員の井上毅さんに案内していただき、展示からプラネタ
リウムまでフルコース楽しみ、更に裏山のトンボの子午線標識、道に刻まれた線
などまで見てまわりました。
更に山伝いにお城を見たりして駅へ、と思ったのですが、さすが台風近づき中、
ひどい雨が降ってきてしまったので、タクシーを呼んで明石駅へ、チョッと濡れ
たりアーケードを潜ったりしながら近くの魚の棚(ウォンタナと読む)でお魚を買
って姫路森本家に帰館しました。
もちろんそこでは大宴会、食べ物の写真がないのが残念!
翌日はそれこそ「台風一過」