森本おじさんと遊ぼう・・・・・改築中仮設住宅
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おじさん著「漢字の不思議」(1)    楽雅樹帖


天の川のことを「天漢(てんかん)」と呼ぶのはなぜですか?
 西はりま天文台の講演会で、こんな質問が出たのは銀河系の話の最
中です。俳句の夏の季語にこんな言葉があるのだそうです。もちろん誰
も答えられません。

 「漢」は中国の意味、は誰でもとっさに思いつきます。むかし中国に「漢」
という大帝国がありました。詳しく歴史が残っている一番古い国、東アジ
アに君臨した大国でした。それ以後何千年、「漢」が「中国」の意味になっ
ているのでしょう。
 でも、この字の「もともとの意味」があるはずです。だって、漢の国をつく
った人が国の名前を考えたときにこの字はもうあって使われていたはず
ですね。それが「天の川」でしょうか?もちろんご存知の通り、「漢」には
「巨漢」「熱血漢」「?漢」、つまり「おとこ」という意味があります。
 「漢」の国をつくった人が、男らしい国にしようと思って、こんな名前に
した、それが後世々になって、「変なおじさん」の意味にまで使われた。
面白い話ですね。でも、ダメなんです。辞書をひいてみると、漢の兵が強
かったので、強いおとこを指す意味になったとかいてあります。
 もう一つそれらしいのは「漢水」という川です。揚子江の中流に左岸か
ら注ぎ込むかなり大きな支流です。地図で探すと「漢」のついた地名もあ
ります。この場所で漢がおこったと考えれば「漢」「もともとの意味」
解決といえるでしょう。

 さぁ、いよいよ「天の川」との関係です。「天漢」イコール「天の川」となっ
ている辞書はたくさんあります。その理由としては(かん)が「乾く」
をあらわす部首、さんずいがついて「乾いた川」即ち天の川、後に漢水の
名になった、とするものがありました。
 このがなぜ「乾いた」なのかは中々説明がありません。でも、考えて
みると、嘆くしい、艱難など、いやな意味の言葉に使われている(い
わゆる「部首」の仲間には入れてもらってないみたいですが)ことから
納得しておくことにしましょう。いやいやダメです。これではまだ天の川と
漢水(中国)の関連が未解決です。地図上で見ると漢水、かなり大きい
川で、とても乾いた川とはいえそうもありません。

 ある日、どこかの公民館で待ち合わせしたときに、何となくめくった漢
字辞書、それも何冊にも分かれた膨大な奴に答えがありました。天の
川と同じ方向に流れるこの川を漢水
と呼んだ、とあるんです。これがホ
ンとなら解決です。ずいぶんたくさん調べて、これ一ヶ所ですから、にわ
かにホントとは言い辛いかも知れませんが・・・・・・・